インドネシア−1 | ジャワの遺跡めぐり |
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ジャワ島には古い文化が残っています。その昔、インドから島伝いに伝播した仏教とヒンドゥー教があります。とりわけ有名な遺跡が、世界遺産のボロブドゥールです。中部ジャワで栄えたジャワ美術の黄金時代と言えましょう。 もう一つの世界遺産が、プランバナン遺跡群です。数多くの寺院跡が残りますが、いろいろな時代の要素が加わっているようです。 今回はそれに加えヒンドゥー教と土着の信仰が融合した東部ジャワの遺跡も回ります。 インドネシアのベスト・シーズンは7月に、遺跡めぐりをする贅沢な旅です。 なお、桐朋学園芸術短期大学講師の北進一先生と写真家の井上芳明先生がご一緒し、現地で、いろいろなお話しをしていただく予定です。 また、3月14日のイッツ・サロンにて、井上先生のスライド講演会を行います。是非、お出掛け下さい。 |
好時期:7/11〜21。11日間 | |
モデル日程: 表中の記号の〜は航空機、=はバス、……は列車を表しています。 | |
1 | 成田 11:00 〜 17:25 デンバサール乗り継ぎ 20:25 〜 21:10 ジャカルタ |
2 | 国立中央博物館 ジャカルタ 〜 ジョグジャカルタ ボロブドゥール公園2連泊 |
3 | 朝陽のボロブドールを眺望、ディエン高原へ。ディエン高原遺跡群を日帰り見学 |
4 | ボロブドール遺跡、ヌガウェン、パウォン寺院、ムンドゥ寺院 ジョグジャカルタ2連泊 |
5 | ソノプドヨ国立博物館、プランバナン遺跡群; ブラオサン寺院、ロロJ寺院、公園内遺跡、サリ寺院、カラサン寺院など |
6 | ジョグジャカルタ = サンビ・サリ寺院、プランバナン遺跡群 = ソロ |
7 | ソロ = スクー寺院、チェト寺院 = モジョケルト |
8 | モジョケルト国立博物館 = ディゴワンギ寺院、スロウォノ寺院 = マラン |
9 | ジャゴ寺院、キダル寺院、バナタラン寺院などマラン郊外見学 |
10 | マラン= シンガーサリ遺跡、ベラハン寺院 = スラバヤ スラバヤ 〜 ジャカルタ 深夜便に乗り継ぎ帰国の途へ。 ジャカルタ22:15 〜 機中泊 |
11 | 〜 07:20 成田着 |
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−井上 芳明 先生の解説文より− インドネシアの美術を概観すると大きく2期に分けることが出来ます。前期はジョグジャカルタ付近を中心とする中部ジャワ時代です。最初に花が開いたのはシャインレンドラ王朝の時代(8c中頃から9c中頃)です。この王朝は仏教の盛んなスマトラ島のシュリヴィジャヤ王国とも交流があり、チャンディ・ボロブドール、チャンディ・ムンドゥ、ディエン高原の遺跡などはこのような背景から生まれました。しかし、ボロブドール周辺はメラピ山の噴火で滅びてしまいます。今回の旅行では、遺跡内のホテルに二連泊します。観光客が入場する前のボロブドールで早朝のメラビ山を望みこの悲劇に思いをはせたり、ムンドゥ寺院で屈指の名作といわれる釈迦 三尊像を前にインドや中国との違いや外壁レリーフの絵解きなどをじっくり楽しみたいと思います。 一方、ボロブドールとはメラピ山を挟んで反対側のプランバナン地方にもマタラム王国(8c中頃から10c)による文化の花を開きます。最も有名なのは世界遺産のチャンディ・ロロジョングランで、現在は隣接する仏教寺院であるチャンディ・セウなどとともに歴史公園として整備されています。今回はこれら遺跡公園のほかに、9世紀の菩薩像が残るチャンディ・ブラオサン、華麗な装飾の残るチャンディ・カラサン、外壁レリーフが良く残っているチャンディ・サリなどを訪れます。他にも田圃の中や集落の一角にあり未だ整備されていない小寺院も訪れます。また夜間には代表的な説話であるラーマヤナ物語の屋外劇鑑賞も予定しています。 このマタラム王国も再び噴火したメラピ山の火砕流で廃墟と化したため、中心は東部ジャワへと移り後期を迎えます。スラバヤの南に出来たクディリ王朝(10c〜13c)は後にシンガーサリ王朝(13c)、マジャパイト王朝(13c〜15c)と盟主を変えますが、仏教とヒンドゥ教そして土俗信仰が混じった文化を創ります。この地方は交通が不便なためか、日本ではほとんど紹介されていません。しかし、インドネシア美術の爛熟期でもあり優雅な菩薩像(現在はジャカルタの博物館にあります)やワヤン(影絵劇)等に残る説話のレリーフを創り出しており、現在見るジャワ文化の基礎となっています。今回の旅行では博物館で概要をつかんだ後、各王朝 ごとの遺跡をめぐります。 12世紀頃から徐々にイスラム教が浸透し、インドネシア美術は大きく変質します。これら東部ジャワの文化はバリ島へと移り現在へと続いて来るわけですが、ソロ郊外の山中にも土俗色を強めたスクー、チェトの寺院が残されており、今回は七日目に訪れます。ヒンドゥ教のリンガはより具体的な形をとった造形へと変化してきます。生産の豊かさを強く願い、説話の世界を楽しむ農民のにおいが感じられる遺跡であり、底辺に脈々と流れるジャワの文化を感じることが出来ます。 このように今回の旅行はインドネシア美術の始まりからイスラム教が入るまでの流れを満遍なく見て回るツアーコースとなっています。これらの遺跡の多くは、いわゆる観光コースとは無縁の土地にあり、地域の人たちの生活の中にひっそりと残されています。各遺跡での滞在時間もたっぷりとってあるため、遺跡周辺に広がる田園風景や集落の散歩なども楽しめます。一人ひとりがそれぞれの楽しみかたでジャワ文化の面白さやすばらしさが体験できることと思われます。 |